トイレの我慢による健康被害
こんにちは、花田クリニックのスタッフです。突然ですが、みなさん最近「トイレ、つい我慢しちゃったなあ…」なんてこと、ありませんか?
「もうちょっと後で行こう」「今トイレに行くのは面倒だな」「仕事中だから今は無理」…私たちは意外と、日常の中で”トイレを我慢する”ことって多いですよね。
でも実はこの「トイレの我慢」、体にとってはあまりいいことではありません。一度二度なら大丈夫でも、それが習慣になってしまうと、膀胱や腎臓、さらには全身に悪影響を与えることもあるんです。
今回は、「トイレの我慢が体に与える意外な影響」について、わかりやすくお話していきます。
トイレの”我慢”、ついやっちゃう理由は?
まずはみなさん、「どうしてトイレを我慢しちゃうのか?」を振り返ってみましょう。日常生活の中で、こんなシーンありませんか?
- 電車の中や外出先でトイレが見つからないとき
- 会議中や授業中で席を立ちにくいとき
- 寝ている途中で起きるのが面倒なとき
- トイレが混んでいて待つのがイヤなとき
- 「またトイレ?」と思われたくないとき
誰しも一度は経験あるのではないでしょうか。でも、ここで気をつけたいのは、「我慢を繰り返すことが当たり前になってしまう」ことなんです。
我慢するとどうなるの?──膀胱と腎臓への負担
さて、トイレを我慢することで、体にはどんなことが起こるのでしょうか?大きく分けて、以下の3つに分けて見ていきましょう。
① 膀胱に負担がかかる
おしっこをためておく袋のような役割をしているのが「膀胱(ぼうこう)」です。この膀胱に長時間尿がたまったままだと、次のようなリスクがあります。
- 膀胱の筋肉が引き伸ばされて弱くなる
- 排尿のタイミングが鈍くなる(=感覚が鈍る)
- 膀胱炎になりやすくなる
膀胱は「ためる」だけでなく「出す」機能も大切なのですが、我慢が続くと出す力が落ちてしまうんですね。
② 細菌が繁殖しやすくなる
尿は体の中で不要になったものを出す”老廃物の集まり”です。長時間たまっていると、膀胱内が温かく湿っていることもあり、細菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。
結果的に…
- 膀胱炎(細菌性)
- 尿道炎
- 腎盂腎炎(じんうじんえん)
といった感染症を引き起こす原因になります。
特に女性は尿道が短いため、細菌が膀胱に入りやすく、感染症のリスクが高くなりやすいです。
③ 腎臓に逆流してダメージを与えることも
「腎盂腎炎」は、膀胱にたまった菌が尿管を逆流して腎臓に達することで起きます。これは発熱や腰痛、倦怠感などを伴うこともある重い感染症です。
繰り返すと、腎機能にまで影響を与えることもあり、「たかが我慢」では済まされなくなるんです。
我慢によって起こる具体的な症状とは?
「ちょっと我慢したくらいでそんなに影響があるの?」と感じる方も多いかもしれませんね。そこで、実際によく見られる”我慢の結果”を紹介していきます。
● 頻尿・尿意過敏
トイレを我慢することで、膀胱が緊張状態になりやすくなり、「ちょっとの尿でも行きたくなる」ようになることがあります。これを「過活動膀胱(かかつどうぼうこう)」と呼びます。
- 頻繁にトイレに行く
- 我慢がきかない
- 尿が漏れそうになる
などの症状が出てくると、生活の質(QOL)にも大きく影響してしまいます。
● 夜間頻尿・睡眠の質の低下
夜中に何度もトイレで目が覚めるようになるのも、膀胱が過敏になった結果のひとつ。睡眠不足になることで、疲れが取れない・昼間の集中力が落ちるなどの二次的な問題が出てきます。
● 膀胱炎
「なんだかトイレのあとに痛い」「尿が濁っている」「においがきつい」こんなときは膀胱炎を疑いましょう。
抗生物質で治ることが多いですが、繰り返すと腎臓にも影響します。
子ども・高齢者・女性…特に注意したい人たち
トイレの我慢による健康リスクは、全世代に共通していますが、特に注意が必要な方々がいます。
子ども
- 学校で「恥ずかしい」と思って我慢する
- 集中して遊んでいるとトイレを忘れる
- 水分補給が足りない状態で我慢する
→おねしょや排尿障害、膀胱炎などにつながることがあります。親御さんは日頃の様子をよく観察してあげましょう。
高齢者
- トイレまでの距離が遠い
- 動くのが面倒で我慢する
- 夜間のトイレを嫌がって水分を控える
→脱水や腎機能低下、尿路感染症を引き起こすリスクが高くなります。
女性
- 尿道が短く細菌が入りやすい
- 生理や妊娠中のトイレ制限
- 職場などで我慢しがち
→男性より膀胱炎のリスクが高いので、早めの対処が必要です。
正しい排尿習慣って?
ここで、トイレを我慢しないための「ちょっとした習慣」をご紹介します。
☑ トイレは我慢しない
「尿意を感じたら行く」を基本にしましょう。目安は3〜4時間に1回くらいです。
☑ 水分はきちんととる
「トイレに行きたくなるから水分を控える」のは逆効果です。体に老廃物がたまりやすくなり、かえって膀胱炎を引き起こしやすくなります。
目安は1日1.5〜2リットル程度(個人差あり)。
☑ 寝る前のトイレも習慣に
夜間の排尿を減らすためにも、寝る前にはしっかり出しておきましょう。夜中に我慢するのは特に危険です。
☑ トイレを「行きやすく」する環境づくり
職場や自宅でも、「トイレに行きやすい雰囲気」「声をかけやすい空気」があると、我慢が減ります。
トイレの我慢を続けてしまったら…
「つい我慢してしまった…」そんな日が続いてしまった方へ。次のような症状がある場合は、早めに受診をおすすめします。
- 尿が出にくい/勢いが弱い
- 尿ににごりや血が混じっている
- トイレのあとに痛みがある
- 頻尿・残尿感・尿意の違和感
- 発熱や腰の痛み
これらは膀胱炎や腎盂腎炎、あるいは膀胱機能障害のサインかもしれません。放っておくと悪化する可能性がありますので、早めの受診が安心です。
まとめ:「トイレを我慢しない」が健康の第一歩!
私たちは日常の忙しさの中で、つい体のサインを後回しにしてしまうことがあります。でも、「トイレに行きたい」という感覚は、体からの大切なメッセージなんです。
- 我慢は膀胱や腎臓に負担をかける
- 感染症や排尿障害のリスクが高まる
- 子どもや高齢者、女性は特に注意が必要
「ちょっとの我慢くらい大丈夫」と思わずに、「尿意を感じたらトイレに行く」を大切にしてくださいね。
ご相談はお気軽に
「最近トイレのことで悩んでいる」「尿の様子がなんだか気になる」そんなときは、ひとりで悩まず、どうぞ私たちにご相談ください。
花田クリニックでは、泌尿器科や腎臓内科の専門医が、患者さま一人ひとりのお悩みに丁寧に対応いたします。安心して受診できるよう、プライバシーにも配慮しています。